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5時からサラリーマン(男)の生態

ジャンルはテキトウ、内容もテキトウ。思いついたまま書いています。

「超」入門 失敗の本質を読んで

”失敗の本質”は、以前、文庫本で読んではいた。

読んだキッカケは上司からの勧め。

 

「この本、面白いんだよ、もうなんのって、馬鹿な日本軍が失敗を繰り返す様が延々と書かれているんだ」

いつもは、げんなりしている上司が、面白そうに話すので、読む時間なんか無いはずだったのだが、思わず買ってしまった。

 

読んだのは、今から7,8年ぐらい前であったろうか、たまたま、高層ビル現場に常駐していた時であった。

 

 

プランはころころ変更される。注文書も受注金額すら正式に決まっていない。

仮に受注をしたとしても、受注原価率は、100%超の赤字。通称ロスコン

 

赤字の額も相当なもので、ドリームジャンボが何回当たれば取り戻せるんだ?!という感じであった。

 

赤字現場、お金が無いから人も送り込みたくないとの事で、現場に常駐する社員の数も極小。

赤字現場だと噂が流れ、それが事実だと分かると、協力業者も寄りつかない。

 

上司も私も疲弊していた。

会社からは、人、モノ、金の補給が絶たれ、受注可否判断すらまともにされないが、現場は進む、鉄骨は建てられ、コンウチ(コンクリート打設)がされていく。

 

そんな中読んだので、

自分の状況と重ね合わせてしまった。

 

そして、もう、こんなの嫌だと思い、現場が目処が付いたところで、当時在籍していた会社を退職した。

続けて、私の上司も退職した。。。

 

さてさて、時が過ぎ、今、失敗の本質ではなく、"「超」入門 失敗の本質"を手にとって読むと、入門らしくさらっと書かれている。そして現代の日本へのmessageが書かれていた。

 

”日本は一つのアイデアを洗練させていく錬磨の文化。しかし、閉塞感を打破するためには、ゲームのルールを変えるような、劇的な変化を起こす必要がある。”

 

失敗の本質での例:

・操縦技能が低いパイロットでも、勝って生き残れる飛行機の開発と戦術の考案

・命中精度を追求しなくても撃墜できる砲弾の開発

・夜間視力が高くなくても、的を捉えられるレーダーの開発

 

 

”ダブル・ループ学習で疑問符をフィードバックする仕組みを持つ。「部下が努力しないからダメだ!」と叱る前に問題の全体像をリーダーや組織が正確に理解しているか、再認識が必要である。”

 

 

 

経営陣が考えに行き詰まったときに

”「僕らがお払い箱になって、取締役会がまったく新しいCEOを連れてきたら、そいつは何をするだろう?」”という質問を自ら発し、自制したインテルDRAM撤退を例にあげて説明がされている。

 

 

日本軍の人事システム

 

大本営から、一方通行で不適切な評価制度。

司令部は、

・上層部が固定化

教条主義に陥る

・同一パターンの戦略

・緊迫感がなくなる

・戦略発見力の喪失

 

現場は、

・何を言っても無駄というあきらめ

・結果を出しても評価されない

・やる気が下がる

 

 

それに対して、米軍司令部の人事システムは、

約一年で人員の交代が行われ

司令部は、

・本当に優秀な人材を発見

・現場の実情を正確に把握

・作戦に個人のシミがつかない

・現場を活かした意思決定

・新たな戦略の発見が容易

 

現場は、

・絶えず緊張感がある

・結果を出せば評価される

・モチベーションがアップ

 

 

具体例としては、米軍のニミッツが考案した少将の人事考課制度は以下のようになっている

・継続して六ヶ月以上、巡洋艦以上の艦長経験を積んだ大佐を対象とする

・その中からまず海軍人事局が適格者を選ぶ

・次に九人ないし十一人の将官で構成する昇進委員会の投票が行われる

・投票結果を海軍長官、作戦部長、作戦部次長、人事局長、航空局長その他が合議

・合議で四分の三以上の賛成で昇級が決定する

 

この人事評価制度に対して、ニミッツは、次のメリットがある事を指摘している

1.選定プロセスに感情が入り込む余地を排除したので、選ばれた者は結果に自信を持つ

2.選ばれなかった者も、次の機会に希望を持って能力向上に励むことができる

 

 

報告の失敗例

ガダルカナル作戦で行われたように、派遣された辻政信参謀が現地の実情を大本営に報告するスタイルでは、辻参謀という人物の都合やフィルターにより、現地の情報が恣意的に脚色されるか、都合のいい形で報告される危険性が常に付きまとう。

 大本営は戦争の終盤まで本当の意味での戦地の実情を理解できない組織だったようですが、その要因は、「歪んだ情報しか収集できなかった」官僚機構の仕組みにあるかもしれません。

 

”組織の階層を伝ってトップに届く情報は、フィルタリングされ担当者の恣意的な脚色、都合のいい情報などが強調されていることが多い。問題意識の強さから、優れたアンテナを持つトップは、激戦地(利益の最前線)を常に自らの目と耳で確認すべき。

 

 

『失敗の本質』から推測できる、チャンスを潰す人物の特徴

1.自分が信じたいことを補強してくれる事実だけを見る

2.他人の能力を信じず、理解する姿勢がない

3.階級の上下を超えて、他者の視点を活用することを知らない

 

 

インパール作戦の牟田口司令官は、最前線の兵士に「食料がなくても弾薬がなくても戦える」と叱咤したが、結果的には補給のほとんど届かない最前線では戦死者より餓死者が多かった

 

・沖縄線では現地軍が効果的に進めていた内陸部抗戦を、大本営の航空戦力至上主義により飛行場奪回の先頭へ転換させて、無駄に兵力を損耗し沖縄陥落を加速させた

 

 

 

逆の成功例(コンチネンタル航空)

 

「成功のカギではなかったコスト」の政策によって、同社の従業員は疲れ切っており、努力を続けても賃金は下がり、同僚はクビになり、成果は見えてこないことで誰に対しても疑心暗鬼の状態だった。「間違った勝利の条件」を抱えたリーダーに従った結果、現場は疲弊し、勝利の可能性は消え、やる気を完全に失っていた。

そこへ、ゴードン・ベスーンがCEOとなり、コスト削減を唯一のゴールとする方針を改め、航空会社として当然の二つの要素を目標として新たに掲げた。

 

1.機内の清潔さ

2.便の到着時間を正確にする(以前は遅延が常態化していた)

 

これにより、業界が奇跡という回復をし、1996年には航空雑誌『エア・トランスポート・ワールド』が主催する賞「エアライン・オブ・ザ・イヤー」を受賞、1997年には六億ドル以上の利益を記録。当然、従業員の士気も急激に高まった。

 

”「間違った勝利の条件」を組織に強要するリーダーは集団に混乱を招き、惨めな敗北を誘発させているだけである。求める勝利を得るためには、「正しい勝利の条件」としての因果関係に、繊細かつ最大限の注意を払うべきである。

 

 

 

日本軍の組織がいかに平和時に安定していたかという指摘

日本軍人(陸海空)は、

・思索せず

・読書せず

・上級者となるに従って反駁する人もなく

・批判を受ける機会もなく

・式場の御神体となり

・権威の偶像となって

・温室の裡に保護された

(『太平洋海戦史』高木惣吉/岩波新書より)

 

反転させると

・思索を行い

・読書をして

・上級者となっても反駁する人がおり

・批判をうける機会を常に持ち

・式場の御神体とならず

・権威の偶像ともならず

・風雨の激しい現場に駆り出される

 

”「居心地の良さ」とは正反対の、成果を獲得するための緊張感、使命感、危機感を維持できる「不均衡を生み出す」組織が生き残る。指揮をとる人間には「見たくない問題を解決する覚悟の強さ」が何より要求される。”

 

「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ

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今日の教訓、感想:”失敗の本質”を読んで、自分のおかれている状況と照らし合わせ、こんな会社嫌だ!そう思って転職をしたのだが、転職後”「超」入門 失敗の本質”を読んでみて、今の会社も日本軍と同じようであり、なんとも言えない気持ちになった。転職をしてもそんなにいい会社は無いというのが、今の心境。今いるこの状況を少しでも良くする為に、なんとかしなくては、まず、直属の上司に、この”「超」入門 失敗の本質”の人事の項目をピックアップし、伝えてみることとします。