小規模の工事の定例であれば、
施工業者おまかせでも、
進捗、工事影響等について気をつけていればなんとかなるのだが、
数億円規模の大規模工事ともなると、そうはいかない。
定例にあたって施主として気をつけている事
・前回までの全ての打ち合わせ議事録、資料を持って行く
・設計図を持って行く
・施工業者、設計(監理)業者が何を伝えたいのかを確認する
工事業者にとって、施主の参加する定例は、
・進捗の報告
・工事の影響調整
・プロジェクトを進めていく上で、判断が必要なものの承認
(VE,CD案の提出がほとんどを占める。。。)
が主な目的。
進捗の報告、工事の影響調整は、程々に、
施主に自分たちの都合の良いように判断してもらおうと考えている。
進捗が遅れていても、遅れていると報告すると、面倒なので、さらっと済ませる。
例えばこんな具合だ。
ゼネコン:「現在、建築工事では、○○をしており、翌週からは○○に取りかかります。」
空調・衛生サブコン:「現在、空調・衛生工事では、○○をしており、翌週からは○○に取りかかります。」
電気サブコン:「現在、電気工事では、○○をしており、翌週からは○○に取りかかります。」
ゼネコン:「○○の作業をするにあたり、○○の影響が発生します。その為、一部動線の変更をお願いしたいと思います。」
施主として、聞きたいのは、何をしているか、来週から何があるのか?
ではなく、うまくいっているのか?大丈夫なのか?何か問題は無いのか?という事。
そのままストレートに伝えても、
大丈夫ですと帰ってくるので、
「ところで、過去に提出して頂いた工程表では、今は、○○をする事になっていますが、遅れている理由は、何ですか?」
「来週から○○の作業をするという事でしたが、○○の図面は見ていないのですが、私の間違いでしょうか?」
「なぜ、○○の作業をしなければならないのですか?影響を抑えることは出来ませんか?なぜ、今、なのですか?
なぜ、もっと早く、教えて頂く事は出来なかったのですか?」
と前回までの議事録、打ち合わせ資料をパラパラとめくりながら言う様にしている。
この際、議事録が無いと、
「前、お伝えしていますので」と平気で嘘を言われる事があるので、
重くてもキングファイルごと持って行くようにしている。
ちょっと、意地悪と思われるかも知れないが、
問題があれば、早い段階で、問題と捉え、解決する事で、工期内に終わらせる事が出来る。
問題の先送りをする事によって、実は。。。と竣工間際に言われてもお互い困るだけ。
それと、提出される図面についても、
提出された際に、施工者の目の前で設計図を広げた上で、
施工図の説明を施工者にお願いしている。
その上で、設計図との相違がある場合は、どこが、どういう風に変わったのかを聞き、メモしている。
説明無く設計から変更したものについては、
あえて、VE(Value Engineering)とか、CD(Cost Down)という言葉は使わずに
それって、詐欺ですよね。と堂々と言うようにしている。
これをしないと、施工者に都合いい図面を出され、騙されてしまう。
判断を求められるものについて、
施工者が何を求めているのか?を確認する様にしている。
・コストを下げたいのか?
・納期が厳しいのか?
なんで、そういう事になったのか?
・本当の経緯は?
(本当の事を、すぐに言ってもらえなくても聞いている)
・後で、手直しが発生する可能性は無いのか?
教訓
・他者からの説明を鵜呑みにするのは危険。
・進捗を確認するには、今の報告だけでなく、過去から今を見つめることも大切。
・理由無き設計変更は罪。もし、説明が無い場合は、不快感を堂々と示すことも必要。