前回、勧誘の電話が執ようにかかってくる事を書いた。
婚活での反省:結婚相談所入会(営業所・事務所に行くまで) - 5時からサラリーマンの生態
今回は、実際に事務所に行ってからの話
(多少デフォルメしていますが、本当の話です)
当時2005年頃、結婚相談所のオーなんとかの新宿の事務所は、高層ビルの中にあった。
20時半までに着くように
JR新宿駅から高層ビル群、都庁方面への通路を私は早足で歩いていた。
日曜日の夜、閑散としているオフィス街を歩きながら、
私に一体、執ように勧誘の電話をしてきた人はどんな人なんだろう?と考えていた。
頭の中は、ボケーッとしながら早足で歩いていると
事務所のあるビルに到着した。
時間が時間なので、出入口は閉まっており、
(仮称)サトウさんに電話。
「ヘロヘロですが、着いたんですけれど」
「○階に上がって下さい。待っています」
エレベーターに乗り、○階に行くと、
サトウさんがいた。
サトウさんは、年齢は30代後半か40代の、なんというか、AKB48の大島優子が年をとっておっとりしたような感じのおばさんだった。
実際に会うと、
電話での勢いは感じられない。
ローパーティションで区切られた席に促され、着席。
サトウさん:「お仕事お疲れ様でした」
ヘロヘロ:(そう、疲れたよ、大変だよ。それなのにしつこくオレに電話してくるなよと思いつつ)
「疲れたって言わない主義なので」
サトウさん:「時間も時間なので、システムの説明をしますね」
ヘロヘロ:「仕事抜け出してきたので、手短にお願いします」
サトウさん:「会員には、大きく分けて、2種類あって、相手の顔を確認してから会うことのできるものと、そうでないものがあります。」
「ヘロヘロさんは、どちらがいいですか?」
ヘロヘロ:「顔、見たいです。自分の顔は鏡で見たくないけれど、相手の顔は見たいです。」
サトウさん:「じゃあ、簡単にシステムの紹介をまとめたビデオがありますので、それを見て下さい」
その後、5~10分程度の紹介ビデオを見た。
入会後、どうやって知り合いそして、連絡を取り合っていくかがストーリー仕立てとなっていた。
出演者はイケメンと美女。こういう美女はそもそもいないだろうと思いつつボケーッと見ていた。
サトウさん:「どうでした?」
ヘロヘロ:「このビデオに出てきた人と私を比べると、私ではダメなような気がします」
サトウさん:「そんな事ありませんよ、会員数○万人なので、ヘロヘロさんにぴったりの人がいますよ」
「女性でもヘロヘロさんの様に、お仕事が忙しくて出会いの機会が無く、入会される方が多いですよ」
ヘロヘロ:「看護師さんとか?」
(ナース好きです)
サトウさん:「看護師さんとか、美容師さんとか、休日でも休めないお仕事をされている方で入会されている方多いですよ」
「では、プランの説明をしますね」
まとめると、
・相手の顔が確認出来るとは行っても、顔を確認するシステムを使うには事務所まで来なければならない。(今は改善されているのかもしれませんが、当時はそうだった)
・入会金は2年間分の活動費と併せて約40万円。(今はもっと安いようで、さらに月払いのプランもあるようです)
その他のイベントにさんかするには、さらに、費用がかかる。
・毎月、データ上で自動的にマッチングした人を(確か)4人紹介される。自分がいいなとおもって、システムで手続きを取り、相手がOKだと実際に会える。
その時、ヘロヘロの出した判断としては、No!
理由は、お金。
しかし、その後、執ように説得をされ、入会する事になる。
サトウさん:「この画面を見て下さい。今、20代で入会をするとヘロヘロさんと相性がピッタリな方は、2,386人。ですが、30歳になると、827人。今を逃すと大変ですよ。」
ヘロヘロ:「電話で、会わせたいと言われた、28歳のナースの方も、30歳だとダメなのですか?」
サトウさん:「そうですね、相手が20代の人と結婚をしたいと望んでいる場合、20代の人としかマッチングされないようになっています」
「40歳以下と条件を定めている人はいても、30歳以上を望むというように、年齢を上で条件を定める人は少ないです」
ヘロヘロ:「ところで、その28歳のナースの方の写真見ること出来ませんか?」
サトウさん:「入会したら見られます」
ヘロヘロ:「そこをなんとか。。。」
サトウさん:「うちは、プライバシーに厳密な会社なので」
ヘロヘロ:「はぁ」
(プライバシーに厳密とか言っておきながら、オレに何回も執ように電話してくるな!と思っていた)
サトウさん:「どうします、入会されます?」
ヘロヘロ:「お断りします」
サトウさん:「今しか無いですよ」
ヘロヘロ:「では、パンフレット下さい。持ち帰って考えます。」
サトウさん:「何が、不満なのですか?」
(イライラしている私に気づいたようだ)
ヘロヘロ:「お金が高いです。40万円あったら他の事にお金を使いたいです。」
サトウさん:「ヘロヘロさんは、20代ですが、600万円以上の収入がありますよね?」
(ネットのバナー広告の相性診断の際、年収を記入してしまっていたので、バレバレ)
「35歳以下の独身男性で、年収600万円以上の人は5%もいないんです。ヘロヘロさんはその一人なのです」
ヘロヘロ:「はぁ」
サトウさん:「ヘロヘロさんなら、すぐにいい人見つかります」
ヘロヘロ:「自慢で無いですが、そう、キャバクラで良く言われます」
サトウさん:「そういう所へ行く、お金があるのなら、なぜ入会しないんですか?」
ヘロヘロ:「入会金が高いから。。。」
その後、押し問答すること、数十分。
周囲の灯りが暗くなり、私も疲れてきた。
サトウさん:「私、よく分からないんですけれど、キャバクラってどの位お金かかるのですか?」
ヘロヘロ:「入店する時間にもよりますが、私の行くお店は。。。」
その後、サトウさんが電卓を持ってきた。
サトウさん:「ヘロヘロさんが、キャバクラにかけるお金が○万円だとすると、○ヶ月分で、2年間分の活動費となります」
「キャバクラにこのまま通い続けて、年を取るか、それとも、今、入会して、いい人を見つけるか、どちらがいいですか?」
ヘロヘロ:「・・・」
サトウさん:「ヘロヘロさんには、特別に、イベントに使えるチケットをお渡しします」 「ヘロヘロさんには、早くいい人を見つけて欲しいんです。恋をして欲しいんです。」
そうやって、サインを促される。
サトウさん:「親御さんだって、孫をみたいと思いますよ」
その後、泣き落としされ、
サインをすれば、楽になる。
サインをすれば、開放される。
そう思って、サインをしてしまった。
サインをすると、支店長なる人が出てきて、
私をヨイショヨイショ。
サトウさん:「支店長、聞いて下さい!ヘロヘロさんは、20代なのに、年収が○百万円で、すごい方なんです。お仕事は○○をされており、今日もお仕事なのに、来て下さったんです」
ヘロヘロ:(あんたが、執ように電話してきたんだろ、コラと思いつつ、その時は、悪い気はしなかった)
サトウさん:「写真撮りますね」
ヘロヘロ:???
サトウさん:「プロフィールに載せるのに、使いますので」
カシャ!
写真を確認すると、
ヨレヨレのシャツを着て、疲れ切った顔をした私の顔がそこには写っていた。
ヘロヘロ:「ところで、28歳のナースさん、写真見せてもらえませんか?」
サトウさん:「サインはして頂きましたが、まだ、入会金を頂いていないのとあと、入会には独身証明が必要となります」
ヘロヘロ:「独身証明???」
サトウさん:「そうです。本当に独身なのか、確認をしてから入会して頂く必要があります。ヘロヘロさんも既婚者を紹介されても困るでしょう?」
ヘロヘロ:「独身証明をとるには、どうしたらいいのですか?」
サトウさん:「ヘロヘロさんの本籍のある、所の役所に問い合わせれば教えてもらえますよ」
「詳細は、このパンフレットの中に書いてあります」
その後、サトウさんと、支店長に見送られ、ビルを出た。
外は、人気の無い高層ビル群。
折角、新宿で下車したのだからと
私の足は、西口の反対側の新宿東口、
そう、歌舞伎町に向かっていた。。。
電話で、いきつけのお店に予約を入れる。
「今日、○○さん出勤してますか?」
「予約お願いします」
ダメ人間まっしぐらな自分がいた。
教訓
・入会する気が無いのなら、事務所に行ってはいけない。
会って断ればいいなんて甘い。相手のホームグラウンドに行ってはいけない。
(行ったら負け、そう思った方がいい)