私は、完璧主義者ではありません。
どちらかというと、期限までに”終わればいい”と考えています。
誤字脱字も、計算ミスもします。
ですが、そんなに、文句を言われることはありません。
私が”完璧”で無いのに、”完璧”と言うシチュエーションの例
上司から、資料作成を頼まれ、やっつけで、作成した資料を手渡す時。
上司:「どうだ出来は?」
(「時間が無く、やっつけで作成したので、かなりテキトウです」と言いたい気持ちを抑え)
ヘロヘロ:「完璧です!」
本音を言って、得する事はビジネスの世界では、そう多くは無い。
テキトウに作ったからといって、テキトウです!と言った所で、
お前、何やってるんだ、マジメにやれと言うのがオチ。
こういう時は、”完璧”と言ってしまった方が楽。
後で、資料のボロを指摘されても、
申し訳ございません。と謝ってしまった方が楽。
指摘され、お前、確認したのか?と言われたら、
”完璧”だと思ったんですけどね、ダメでしたか。。。
○○を□□修正してみます。
とすぐに、応対。
凹んでいるよりは、
テキトウだから、指摘されて当たり前、
指摘されてラッキー。
指摘を受けた所だけ直せばオッケー!と考えて行動。
私が、”完璧”という言葉を安易に使う様になったあるキッカケがある。
私の作った資料が分かりづらいと取引先から、指摘を受け、急遽修正する必要が発生。
(当時、私は、建設業で専門業者の現場代理人として、建設現場に常駐しており、元請けのゼネコンさんから、設備の切替の計画書について急なダメ出しを受けて困っていた)
私の頭の中では、どう修正すれば良いかいい案が浮かばなかった。
当時、過重労働をしており、月の残業は200時間以上、家にまともな時間に帰ることも出来ず、睡眠もまともに取れていない状態。
当然、頭は回っていない。
現場事務所にいて、一人で考えていてもしょうが無いので、
会社の上司(部長クラス)に、ゼネコンさんに、資料を修正するように怒られたが、
どうすればいいか、分からないので、相談に乗って欲しいと電話をし、
現場の作業が終わってから、会社に行く事にした。
頭は回っていないが、少なくとも、”自分でやるよりも、人に頼った方が良い”という判断は自然としていたようだ。
会社に20時頃に着くと、
上司は、「さあ、やるぞ!」と言って、
私が、どう悩んでいるのかを私に聞き出した。
私の話を聞きながら、上司は言った。
「なんだ、簡単じゃ無いか!」
そうして、上司は、パチパチとパソコンのキーボードを叩きだし、資料を修正し出した。あっという間に、
「出来たぞ」と言って、打ちだした資料を私に手渡した。
私は、上司が修正してくれた資料を見て、
上司に「これで、いんですか?」と聞いた。
上司が修正してくれた資料を見ても、何が良いのか、さっぱり分からない。
上司は、私に目を合わせ、真剣なまなざしで、
「完璧」と言った。
首をかしげる私に対して、
「明日、一緒に現場に行ってやるから、気にするな」
「完璧だ」
そう言って、その日は終わった。
翌日、上司が早朝、現場に来てくれ、
一緒に、ゼネコンさんへ資料を持って行った。
そこでも、上司の自信は揺るがず、
ゼネコンさんから、「本当に大丈夫なのか?」と聞かれても
「完璧です」
と真剣な眼差しで言っていた。
誰が、この資料を作ったんだ?と聞かれれば、
「私が作ったので完璧です」
と答える。
ゼネコンさんも、そこまで言うならば、という感じで、資料を受け取ってくれた。
その後、上司は、
「完璧だ」
そう言って、現場を出た。
その時、上司がとっても格好良く見えた。
実の所、その後、ゼネコンさんから、呼ばれ、
「この資料、中身がさっぱり分からない。
本当に、あの人が作ったのか?」と聞かれた。
はいそうですと答えると、
「まだ、お前が作った資料の方が分かりやすい。元の計画書に直せ」
「元の計画書でいいから、予定通り、○日に作業する」
と言われた。
(つまり、もともと作った、私の資料で大丈夫という事になり、
上司に作ってもらった資料は没となった)
上司に、そのことを伝えようと電話をすると
「オレの資料完璧だっただろう!」
と言われてしまった。
ウソをつく事が出来なかった私は、
「作って頂いた資料が分かりづらいので、元の計画書に直すように言われました」
と伝えた。
すると上司は、
「そいつ、頭悪いんじゃ無いか?」
「オレの完璧な資料のどこが分かりづらいんだ?頭のいい人なら理解出来るはず!」
「バカだから、お前の資料の方がマシといっているだけだ。」
「もう、オレ手伝わなくても大丈夫か?」
上司のテンションは、相変わらず、高く、何度も完璧と言っていた。
私の中では、もう、この人、頼りに出来ないな。。。そう思っていた。
時間が経って、今、思うのは、
もし、上司が、私と一緒に悩み、
どうしようか?と考え、フリーズしていたら、先へ進む事が出来なかっただろう。
ウソでも、
「完璧」
と上司が言ってくれたお陰で、先へ進むことが出来たそう思う。
上司に、あの時の「完璧」はハッタリだったのですか?と聞くと、
ハッタリなんかじゃない、完璧だと答えた。
本当に?としつこく聞くと、
お前の顔が暗くてしょうが無かったから、励まそうと思ったとぼそりと言った。
今、私は、その会社を辞めて、転職し別な会社に勤めているが、
あの時、助けてくれた上司の事は忘れない。
そして、今、私は、
安易に「完璧」を連呼している。
周囲からは、おっちょこちょいな、テキトウと思われているに違いないが、
なんとか生きている。
ヘロヘロ:「先日、依頼された○○の資料、こんな方向性でどうでしょうか?」
上司:「ん~、ちょっと違うんだよな。ここがダメ」
というような感じで、ダメ出しを受ける事がしばしば。
そんな時は、
「ここ、直せばいんですよね!こんな感じでどうでしょう?」
とポジティブに受け取って、修正し再相談。
私は、相手からあんまり、”正確さ”、”完璧さ”について期待されていないようだが、
期限だけは守るようにしていることは、一定の評価をされているようだ。
完璧なんて、存在しない。
だから、私は、今日も”完璧”と言う。
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