いつものように出社。
11時に、社員を対象とした会議。
内容は、業務改善ということだけで、詳細は知らされていない。聞いても教えてもらえない。
本社とテレビ会議でつなぐとのこと。
そわそわしながら、11時の10分前に、
会議室にいくと、社長がいた。
(社長といってもグループ会社の社長だが、私からしてみると、自分が所属する会社の社長なのは、間違い無い)
誰も最前列に行こうとしないので、最前列の席に座った。
「業務改善と言いつつ、レジュメも無く、年末に、これだけの人数を集めるなんて、非効率ですよね!」とぼやくと、一部の間で、ウケたが、社長の表情は、カタイ。
社長は、営業出身で、いつもは、終始笑顔なのだが、今回は、笑顔は無かった。
いざ、会議が始まった。
出欠者の確認の後、会社の方針に対しての説明が始まった。
業界的に、今は好調だが、さらなる成長を、するために、ムダなコストは、省かなければならないこと。コア業務に集中させなければ、会社の未来がないこと等、全体的な説明。
その後、私の所属するグループ会社は、コア業務を行っていないので、アウトソーシング先に業務移管し、解散。時期は、9月末。
会社に残れるのは、わずかな人だけ。
(この時は、割合も人数も発表無)
早期退職を選択する人には、優遇金を支払う。
さらに、アウトソーシング先に移籍する人は、上記優遇金に加え、移籍金を支払う。
これらは、具体的な金額(テーブル)が示された。
場は、凍っていた。
泣いている人もいた。
ぼーっとしている人もいる中、私は質問をした。
「9月に解散とのことですが、有給休暇については、4月に1年分が給付されるので、9月末までに、消化する権利がありますよね?」
「有給休暇の買取有無について、教えて下さい」
社長は、想定外の質問という表情で、人事関係者に聞くが答えは出なく、回答は保留となった。
「有給休暇の繰り越しがたまっている人もいますよね、半年で消化するとなると、大変ですよね?!」
「アウトソーシング先への業務の引継ぎ、うまく出来ますかね?!」とつぶやいた。
会議が終わり、自席に移動するまでの間。昨日まで、奇人変人扱いされていた私に対して、労組組合員から、これからのことについて、色々相談やら、話しかけられた。
リストラは、嫌だが、羨望の眼差しをウケ、頼られるのは、悪くない、そう思った私はバカだった。
教訓:リストラは、ある日突然にやってくる。
衝撃態勢(耐性)をとっておくことが大切。