なぜあの人は、いつも上から目線なのか?
上から目線の人へどう対応したら良いか?
私の周りはなぜか、職場でも家庭でも上から目線の人が多い。
自分では出来ないくせに、人の事となると上から目線で物事を言ってくる。
そんな訳で、この本を購入。
「評論家立ち位置」は自信のなさ、不安の裏返し
人に対して何かと「上から目線」でコメントする若手は、評論家的な立ち位置で何事にもコミットしようとしない傾向がある。それも、誇大自己を維持するための戦略とみなす事ができる。
何かに本気で取り組んで、思わしくない結果が出たら、もはや誇大自己を維持することができなくなる。評論家的立ち位置を保てば、たとえ思わしい成果を上げられなくても、
「自分は本気でやっているわけじゃない」
「自分がやりたいのは、こんなことじゃない」
「いつか本気になったら、こんなもんじゃない」
といった言い訳が出来る。
そこにあるのはまさに根拠のない自信である。
人の事を厳しい目で評価し、きついコメントをしながら、自分のことは棚上げしている。それを見て、周囲の人たちは、
「自分はどうなのよ?」と言いたくなる。
人のことをあれこれ言うくせに、自分は自慢できるような成果を出したり、一生懸命に仕事をしている訳ではない。何に対しても当事者意識をもたず、距離を置いて眺めているだけだ。
そうした姿勢には、仕事に本気で取り組む人間の厳しさは感じられない。人をこき下ろすことで自分自信から目を背けようとする雰囲気が漂う。
根拠のない自信を支えにしている若者たちは、本当は自信がないのだ。思いどおりに輝いてくれない現実の情けない自分を受け入れる心の余裕がないために周囲を「上から目線」でこき下ろしながら、必死に誇大自己にしがみついているのである。
それに対応するには、
・心理メカニズムを理解。
・偉そうな態度は、根拠のない自信によるものなのだと知っておき自信が持てるように導くのがポイント
1.相手の話を真剣に聴く
2.一方的にしゃべらない
3.自分のことばかり話さない
4.相手に感心をもつ
5.押しつけがましいことは言わない
6.相手の気持ちに共感する
7.話しにくいことをしつこく訊かない
8.適度に話を切り上げる事ができる
・指示をするのにも相談口調で意見を求めながら話をすすめる。
松下幸之助の場合、
「あんたの意見はどうか。僕はこう思うんだが」
と相談調に話をしていくように心がけていたという。
・承認欲求を満たしながら改善点を指摘
人は誰でも、認められたいという気持ちを持っている。
部下に注意をするにも、まずは良い点を褒めて承認欲求を満たしつつ、改善点を指摘するといった工夫を行う。
・他人との比較より、これまでの本人自身との比較で評価
「どうした、できないのか。これまでの新人はちゃんとやってたのに」
「前任者はこんなミスはしなかったぞ」
「こんな事じゃ、後輩に追い抜かれちゃうぞ」
などといった人と比較する様な言い方は、比較に基づく劣等感を刺激し、気持ちを落ち込ませ、モチベーションを大きく低下させる。
大切なのは、相対評価ではなく個人内評価の視点をもつということ。
「うまくできるようになったなあ」
「ずいぶん早くできるようになったじゃないか」
「正確さが増してきたな」
というように、ポジティブなコメントをする。
・叱られて成長するのは「できる部下」だけである
仕事の出来る部下ほど叱られる事で、成長し、仕事のできない部下ほど叱っても効果がなく、むしろやる気をなくしたり関係が悪化するなど逆効果になる事が多い。
積極的傾聴のスキル9
1.相手に興味をもつ
2.相手の話に意識を集中する
3.うなずきを多用する
4.あいづちを打ちながら聴く
5.共感しながら聴く
6.相手の言葉の一部を繰り返す(反映の技法)
7.はっきりつかみきれないところは確認する(明確化の技法)
8.質問をすることで、関心をもって聴いていることを暗に示す
9.似たような経験が自分にもあれば、それを簡単に話す
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上司からの上から目線への対応は、これといった解決策は無く、
上司を変える事ではなく、自分が変わる事が書かれている。
人間は理屈よりも気持ちで動くということを忘れてはならない。
こうして気持ちをつなぎ、良好な雰囲気を醸し出すことで、こちらの意見に抵抗なく耳を傾ける心の準備状態を相手の中につくっておく。
「その提案には賛同しかねます。そのようなやり方では、○○のようなケースに対応出来ないとおもいます」
と言うと、真っ正面から対決する構図になってしまう。
そうならないように
「たしかに、・・・という考え方にはまったく同感です」
「お話をうかがっていて、なるほどと思いました」
などと賛成する部分が大きいという事を示してから、
「ただ、ちょっとよくわからないところがあるのですが、○○のようなケースには、どのように対応する事になるのでしょうか?」
のように、疑問形で、教えを請うといったニュアンスを漂わせてやんわりと疑問点を確認する。そうすれば、上司の側は、反論されたという感じではないので、気分を害することなく、こちらの疑問点についえ考えを巡らすことになる。
・自分の中にも「見下され不安」がないかをチェック
尊大なタイプの「上から目線」上司は、確かに厄介ではあるが、だれもが苦手にしているわけではない。うまくかわしたり、良好な関係を保っている部下もいるはず。そのような人物は、相手への対処法ができているだけでなく、自己コントロールもできているものだ。
「上から目線」が気になる人ほど次の様な傾向がある。
1.他人に批判されると、それが当たっていてもいなくても無性に腹が立つ
2.人からバカにされたくないという思いが強い
3.何かにつけて不満に思うことがある
4.何をやってもうまくいかないと思うことがある
5.人と自分をすぐ比較してしまう
6.仕事がイヤでたまらないことがある
7.人からどう思われているかがとても気になる
これをみると、「現状への不満」が強く、「見下され不安」の強い人ほど、人の「上から目線」に敏感になっていることがわかる。ということは、上司の「上から目線」に強い不快を感じるのは、仕事や人間関係がうまくいってなかったり、自分に自信がもてないためである可能性が高い。改善すべきは、自分の仕事の仕方やコミュニケーションの取り方なのかもしれない。
・「いい人」と思われたい上司は、部下思いではない
職場で「いい人」と評される上司には、ほんとうに部下のことを思っているのか疑問に思わざるを得ない人物もみられる。ほんとうに部下の事を思うなら、言いにくいこともあえて、言わなければならないことだってあるだろう。だが、部下の気分を害するようなことは言わずに、自分が気に入られるような態度をとる。それは、部下を育てようという気持ちがなく、部下の将来を思う気持ちもなく、ただひたすら自分がかわいいことの表れとみなすこともできるだろう。
そうなると、パーソナリティ市場的構えに振り回され、部下に対していい顔をするばかりで、厳しい事を言うことのない上司は、ほんとうの意味での「いい人」ではなく、「自分だけよければいい人」であり、「部下の将来なんてどうでもいい人」なのだと言うこともできる。
上司からの注意、指摘をよい方向に解釈するようにして自分自身を成長させる。
大切なのは、感情的に反発したりせずに、事実や評価を冷静に受け止め、今後の仕事に活かそうとする姿勢。
人は経験豊かな人たちによる「上から目線」に育てられるものである。せっかくの肥やしをムダにする手はない。経験者による「上から目線」に貪欲になること。それが経験から学ぶ力を目覚めさせることにつながる。
大切なのは、他者を変える前に、自分自身が変わること。
どう扱うというよりも、どうとらえるかに焦点が置かれた本。
これから、「上から目線」と付き合っていくにあたり、
自分自身が悪い上から目線とならないように気をつけます。。。