暑い日は、生ビールがうまい。
特に、一杯目に飲むビールがうまい。
ハウスボトルのウィスキーなんて、もっての他。
ビールなのだ。
キャストもビールが飲みたいと言ってくる。
その昔、六本木のキャバクラで、そんな所に目を付けたのか、
ビールのチケットを販売するお店があった。
ビール10杯分のお値段で、11杯分のチケットです。
なんて感じで、売られていた。
確か、ビール一杯千円なので、チケット1冊が、一万円。
シラフの時だったら、絶対に買わないのだが、
買ってしまった自分がいた。
店に入り、
指名していたキャスト(仮称:えりさん)と合流。
ヘロヘロ:「ビール飲みたいな」
えり:「私も飲みたい」
ヘロヘロ:「でも、お店のビールって冷えてないでしょ?」
「オレは、キンキンに冷えたビールが飲みたい」
えり:「ビールサーバー新しくなったから、冷えてるよ」
ヘロヘロ:「ビールもそうだけれど、キンキンに冷えたグラスで、飲みたい」
えり:「それは、居酒屋じゃないと(笑)」
ヘロヘロ:「居酒屋の方がいいな・・・」
えり:「なんで、今日、来たの?」
ヘロヘロ:「あのね、それは、えりさんがしつこいぐらいに、営業メールと電話をしてくるから」
えり:「あ、そうか(笑)」
そんなどうでもいい話をしている時に、
目の前を、野球場のビールの売り子さんが、背負っているようなビールサーバーを背負ったキレイな女性が通り過ぎる。
目で追うヘロヘロ。。。
えり:「ビックリした?」
ヘロヘロ:「今、ビールサーバー背負った人通ったよ」
えり:「そう、キャンペーンやってるの」
ヘロヘロ:「何のキャンペーン?」
えり:「ビール飲みたいっていうお客さんが多いから、ビールのキャンペーン」
ヘロヘロ:「見りゃ、分かるよ(汗)」
すると、ビールサーバーを背負った美人の売り子さんと目が合った。
売り子さん:「今、キャンペーンをやっていて、10杯分のお値段で、11杯分が1冊になったチケットがあるのですが、どうですか?」
ヘロヘロ:「一人じゃ、11杯分も飲めないよ」
売り子さん:「キャストの分も、このチケットで大丈夫ですよ」
ヘロヘロ:「え? じゃあ、ビール飲ませてって、たかられた時、このチケット使えるの?」
えり:「たかるって、ちょっと・・・」
ヘロヘロ:「えりさん、たかってくるじゃん」
売り子さん:「どうですか? えりさんのプレゼントにも」
ヘロヘロ:「今、ここで買ったら、そのこの売り上げは、誰の手柄になるの?」
売り子さん:「今、えりさんを指名されているのでしたら、えりさんですかね(笑)」
ヘロヘロ:(売り子さんの方を見ながら)
「え、売っておきながら、売り子さんには加算されないの?」
売り子さん:「少し、加算されるかな」
えり:「ビール飲みたいな」
ヘロヘロ:「売り子さんが、オレの横に座ってくれるなら買う」
売り子さん:「それは・・・」
えりさん:耳元で、ヘロヘロにささやく
「キャストの様な接客が嫌で、スタッフとして、働いているんだから、
あんまり、しつこくすると、面倒なことになるから、やめた方がいいよ」
その時、黒服のお兄さんが現れ、
黒服のお兄さん:「お客様、申し訳無いのですが、ビールの販売をしているスタッフは、キャストでは無いので・・・」
えりさんに、ほらみろといった感じで、ちょっとにらまれる。
そして、売り子さんは去って行った。
それで、終わりにすればいいのに、
ビール券、3冊下さいと手を上げて、売り子さんを呼び、
売り子さんに握手してもらい、キャッキャ騒ぐ、おばかな自分がいた。
当然、チケットは一日では使い切れず、その後も通い続けるという悪循環。
しかもチケットには有効期限があって使えるのは、8月末まで、
聞くと、ニッパチ(2月と8月)は、特に売り上げが低いので、8月の売り上げの数字をあげるようにするためのキャンペーンとのこと。
その後も、浴衣キャンペーンなるものに、つられ、
通い続ける自分がいた。
トホホ。。。